広告の需要期と閑散期はいつ?効果的な対策方法を解説
公開日:2020/01/24 (更新日:2020/05/15)
こんにちは、株式会社Clans代表の藤田です。
本日は広告の需要期と閑散期のタイミングと、それぞれの効果的な対策方法について解説していきます。
個人でブログを運営されている方も、会社でメディアのマネタイズ担当をされている方も必ず知っておきたい内容なのでぜひ参考にしてみてください。
目次
広告の需要期・閑散期における課題
読者の皆さんの中には需要期・閑散期をあまり意識したことのない方も多いかもしれません。
まずは需要期・閑散期とは何かというところから説明していきます。
広告の需要期とは
広告の需要期とは、メディアの総在庫(供給)に対して広告主の出稿量(需要)が多くなる状況のことを指します。
需要期に入ると限られた広告枠を購入するために普段よりもたくさんの広告主がオークションに参加するため、入札単価が高騰しやすくメディアの収益性(CPM)が急激に上がります。

一般的には期末(決算時期)の3月、6月、9月、12月が需要期となるケースが多いです。
広告の閑散期とは
広告の閑散期とは、メディアの総在庫(供給)に対して広告主の出稿量(需要)が少なくなる状況のことを指します。
閑散期に入ると広告主の数が減り、低い単価でもオークションで勝ててしまう状態になるため、入札単価が下落しやすくメディアの収益性が急激に下がります。

一般的には期初の1月、4月、7月、10月が需要期となるケースが多いです。
また、特殊な閑散期として長期休み(年末年始やGWなど)のタイミングでも収益性が大きく下がりやすい時期となります。
需要期・閑散期における課題とは
需要期や閑散期は広告主の出稿状況によるものだからメディアでは特にできることないよね、と思っている方は要注意です。
何もせずに流れに身を任せていると、市場の動向に応じて収益が大きくぶれてしまうため、事業としての安定性が失われます。
需要期・閑散期の対策としてメディアができることは次の2つです。
②PMPや純広告の受注・配信
ここからは対策方法をさらに深堀って解説していきます。
次の需要期・閑散期から早速実践できる内容になっているので、需要期に収益性をさらに上げたり、閑散期にCPMの低下を緩和させる運用を目指していきましょう。
需要期のタイミングと対策
それでは需要期のタイミングと対策について改めて解説していきます。
需要期のタイミング
先程紹介した需要期のタイミングを影響の大きさ度合いで並べると、3月 > 12月 > 9月・6月という感じです。
3月が決算の会社が多く、3月は1ヶ月通してCPMがガッツリが上がります。
これはアドセンス・AdExchange・サードパーティーのSSPやアドネットワークでもほぼ全ての事業者が一気に上がります。
需要期に行うべき運用
需要期のタイミングでメディアが行うべき運用は、アドセンス(AdExchange)の仮想CPMの引き上げです。
通常の時期に設定するフロアプライスや仮想CPMの金額に比べ、需要期に設定する仮想CPMは目安として1.5倍以上になります。
需要期に合わせて仮想CPMを引き上げることで、カバレッジ(フィルレート)が下がらずにCPMを純増させることができます。
仮想CPMの運用方法については↓の記事で解説していますので参考にしてください。
【簡単】Google Ad Managerでアドセンスの収益をアップさせるコツを紹介
そのため、需要期シーズンは毎日レポートをチェックして、仮想CPMを運用していきましょう。
閑散期のタイミングと対策
次は閑散期のタイミングと対策について深堀っていきます。
閑散期のタイミング
先程紹介した閑散期のタイミングを影響の大きさ度合いで並べると、年末年始 > GW > その他の期初という感じです。
年末年始やGWは一般的に人々の購買活動が減ると言われており、ほとんどの広告主が出稿を抑えてきます。
そのため、アドセンスもAdExchangeもサードパーティーも全ての事業者でCPMが下がりやすい傾向にあります。
閑散期に行うべき運用
閑散期の対策方法は、仮想CPMの引き下げとPMPや純広告の販売です。
それぞれ非常に大事な対策になるのでしっかり解説していきます。
仮想CPMの引き下げ
閑散期は広告主の出稿が減るため、通常時の半分くらいの仮想CPMが適正になります。
仮想CPMを引き下げないとカバレッジがどんどん下がってしまい、収益損失を加速させる原因となります。
需要期同様に、閑散期シーズンは特にレポーティングと分析に力を入れていきましょう。
参考:【初心者向け】毎日10分でOK!Google Ad Managerのレポーティングと分析方法を解説
PMPや純広告の販売
こちらは閑散期に向けて1~2ヶ月前から動き始めたい内容になります。
PMPとはプライベートマーケットプレイスのことで、特定の広告主がプレミアムなメディアにのみ広告を出稿する形態のことです。
PMPは主に国内のSSP事業者が販売しており、プレミアムなメディア(ある程度の規模がありユーザー属性がわかりやすいメディア)はSSPがPMPメニューとして販売してくれます。
これはSSPとの連携が重要になってきますので、普段から密にコミュニケーションを取ることが大事です。
次に純広告の販売ですが、これはメディア各社が自分たちで広告主に対して枠を販売していく形態になります。
自社で営業部隊を持っている会社は年末年始に向けて1~2ヶ月前から営業活動を始めていくことをおすすめします。
販売メニューも自分たちで作る必要があるので少し難易度が高いですが、上手く行けばネットワーク広告の下がり幅以上に純広告が利益をもたらしてくれる可能性があります。
また、純広告はGoogle Ad Managerで配信することができるので、メニューを作って販売さえ行えば誰でもできます。
もしPMPや純広告について気になる方は僕にご相談頂ければ分かる範囲でアドバイスします。
注意:閑散期に需要が伸びるドメイン
ちなみにゲーム関連の広告主(特にソーシャルゲーム)は閑散期と言われる年末年始やGWで逆に出稿を増やしてきます。
EC系の購買活動は減るが、課金のモチベーションは長期休みに上がりやすいためです。
そのため、ゲーム系のメディアを運営されている方は、長期休みは需要期と捉えて運用を行うことをおすすめします。
需要期・閑散期対策のまとめ
ここまで需要期・閑散期対策をかなり深堀って解説してきました。
僕も会社でマネタイズを担当していた時は閑散期に相当苦しめられました。(売上の着地予定を大幅にずらしてしまったことも…汗)
この記事を読んだ皆さんが次の需要期や閑散期を上手く切り抜けることを願っています。
最後に対策方法をまとめておきます。
・仮想CPMを引き上げましょう。通常時の1.5倍以上が目安です。
【閑散期】
・仮想CPMを引き下げましょう。通常時の半分くらいが目安です。
・PMPや純広告の販売を積極的に行っていきましょう。
・ゲームだけは逆に需要期になるので注意が必要です。
今回ご紹介した対策方法やタイミングについて質問があればメールやDMでお気軽にご連絡ください。
それではm(_ _)m